長場雄 NAGABA YU

白いキャンバスに黒い線。究極的にシンプルなその絵は、スタイリッシュであるがどこか人間らしいぬくもりを感じさせる。長場雄が確立した唯一無二のその絵は、どのようにして生まれたのだろう? 2022年6月10日(金)に代官山に誕生した「ルーフミュージアム」のオープニングエキシビジョン、長場雄『Pink Nude』について、東京とは思えぬほど木々が茂り、ゆったりとした時間が流れる長場さんのアトリエ&事務所にて制作にまつわるたくさんのお話を聞いた。

国籍、年齢、ジェンダーを超えたフラットな世界観
 「生活を削ると自分らしさも失ってしまう」

--下北沢の街を彩る『シモキタエキウエ』の壁画を拝見して、長場さんの絵が入ると無機質な壁に温もりが加わるな、と感じました。シンプルでスタイリッシュ絵なのに、この温もりはどこからくるのだろう? と考えたとき、長場さんの絵は、国籍も年齢もジェンダーも良い意味で気にしていないというのか、とてもフラットなのかも、と。だから見ていて心地がいいし、その長場さんのまなざしのようなものが温もりを感じさせるのではないか? と。ご自身でもそうしたことを意識されて制作されていますか?

長場 まず、世の中がジェンダーレスを求めている感じはすごくしますね。クライアントからの依頼でも「女性っぽすぎない絵を描いて欲しい」とか、「男性っぽすぎない絵を描いて欲しい」と言われることがよくあります。僕自身、小さい頃から「男とはこう」「女とはこう」というようなことに対して疑問を抱いていた部分もあったので、そういうところが絵にもあらわれているんだと思います。母親から「男でもちゃんと家事をするんだよ」と言われて、家事の手伝いをよくさせられていたし、母親もそういうことを意識していたのかもしれません。そのおかげでか、当たり前のことだと思うけど、今も家で料理や掃除は日常的にやっています。

--「当たり前だけど」とはいえ、長場さんは超多忙ではないですか?そこまで仕事が忙しかったら「家事はまかせた」ってなりそうですが。

長場 うちには今、4歳の息子が一人いて、奥さんも仕事をしているんですが、うちの奥さんは働きたい人なんですよ。働くことで家族とは違う人間関係の場所が得られますよね。仕事を辞めると、そこの関係がなくなって世界が狭くなるし、人生がつまらなくなるから働いていたい、と。自分も、仕事を通じていろいろな世界の人たちとお付き合いがあることでちょっと安心するというか、外部との関わりによって自分の立ち位置のようなものが確認できると感じるので、奥さんの気持ちがよくわかるんですよね。だから二人で一緒に家事は行っています。ただ、ご飯を作るのは好きで楽しいからいいけど、後片付けや掃除を「もう嫌だ」と投げ出したくなることはあります(笑)。でも、そういう部分を削ってしまったら、自分らしさみたいなものを失ってしまうとも思うので、忙しくても夜は仕事はせずに家事育児をするようにしていますね。

--性別関係なく仕事をして家事育児をする。その日頃の在り方が、垣根を感じさせない絵を生んでいるのかもしれないですね。

長場 ただ、正直なところ仕事をしながら家のこともするのがめちゃくちゃ大変な状況になってはいて……(笑)。なので、ここはもう「家事代行」のようなサービスをたまには利用しようかと、この頃は家で話したりしています。

パーソナルでありソーシャルである
「引くことで現れる個性」

--過去のインタビューで、今の作風を発表するに至る際の、奥様の言葉が素敵だな、と。これまでの作品をまとめたものを個展に出そうと見せたら「面白くない」と一言。その言葉を受けて、ひそかに描きためていた今のスタイルの絵を見せたら、こっちのほうがいいという反応が返ってきて、現在の作風の作品を展示することになった、と。

長場 奥さんは、時代がどうとかこういう流れだからこう、ってことを頭で考えるのではなくて、目の前に出されたものに対して思ったことを素直に、包み隠さずに言う人なんですよ。面白い人だな、って思いますね。自分で作っていると、つい知識を溜め込んで、「こういう絵にしていていこう」とかなっていっちゃうけど、実際に目の前に出されたものがどうかが見る側としては重要なことだと思うので、最初の鑑賞者としてはとてもいい人だと思います。もちろん、知識も大切ではあるんですけど。

--現在の作風が個人的に描かれていたものだという背景を知って、だから、長場さんの絵をパーソナルに感じられるんだ、と気づきました。ただ、パーソナルだけど、下北沢の街の一部としてものすごく溶け込んでいるのが不思議というか。アーティストの「私の絵」というのは、街に溶け込み難いという印象があって。

長場 個人的に自己主張の強いものが苦手というか、あんまりうるさい絵は好きじゃなくて。そもそも「絵」って、それ自体が自己主張のオンパレードみたいなものじゃないですか(笑)。その作者の自己主張だったりに誰かが共感するわけですけど、でも、何かほかにもやり方があるんじゃないか? と考えたことに今の作風があると思います。自分を押し出さず、「引く」ことで個性を出すというか。街との溶け込みについては、学生の頃に絵だけではなく現代美術の勉強もしていて、パブリックアートやインスタレーションの作品をたくさん見たことが関係しているかもしれません。時代的にもホワイトキューブから飛び出し「街でアートがどのように見えるか」という流れにありましたしね。『シモキタエキウエ』のお話があった時、絵が単体の作品ではなくて、街の人がそこに加わって成立するようなこと、絵と人とのコンビネーションを意識しました。

クライアントワークをすることでアーティストとしての世界も広がる
「自分が面白いと感じていないまま仕事は進めない」

--「イラストレーター」という肩書きで呼ばれることもあると思いますが、現在の肩書きは「アーティスト」を使用されている。その違いはどこにあると思いますか? 

長場 大きく分ければ、クライアントワークをする時はイラストレーターで、クライアントを通さず個展などで発表する時はアーティストってなると思います。活動の初期は、別にイラストレーターもアーティストも名乗っていなかったというか、どちらかというと「アーティスト」という思いでやっていて。なので、自分からどこかのクライアントに作品を売り込むことはやっていなかったんです。その状況が2014年に『POPEYE』の仕事をしてから一変して、一気にいろんなクライアントから声が掛かるようになったんですが、その時もまだどちらかというとアーティストに意識があったかな。だから、最初はクライアントワークを引き受けるかどうか迷っていた部分もありました。ただ、本当にたくさんの連絡をいただいたので、「ちょっとイラストレーターというものをやってみよう」というような感覚で引き受けることにしました。

--”やってみた”イラストレーターはどうだったんですか?

長場 それまではInstagramや個展でしか作品の発表をしていなかったので、クライアントの仕事をすることで、自分の絵を知ってもらう媒体が増えて拡散力が高まって、すごくたくさんの人が見てくれるようになりました。アーティストとしての制作とクライアントワークの両方をやることで作品をいっぱい作れるし、自分の認知度も広まっていくし、相乗効果が生まれるというか、すごくいい関係だな、と。僕も楽しいし、クライアントにとっても良かったのではないかなと思います。今の肩書きをアーティスト一本にしたのは、最初の思いに立ち返ったからですね。

--長場さんがされるお仕事は、業種が多岐にわたるのもすごく面白いです。

長場 基本的には自分が興味のあるものをやっているんですけど、そこはわりと意識しているというか、いろんな業界と組んでやりたいと思っています。

--「どういうものとコラボレーションするか」というチョイスも「表現」ですもんね。

長場 ああ、そうですね。いい意味で期待を裏切れるように発表できていくといいな、と思っていますね。

--個人的には、ゴミ収集車とか公共のゴミ袋とか、そういうものに長場さんの絵が使われていたらすごくいいな、って。あとは性教育とか。ちょっとバイアスがかかっているものとか、人が隠そうとしているものに長場さんの絵があるといいな、と。実際そういうお仕事も多そうですが。

長場 『Tarzan』で性教育のようなお仕事はしましたね。特に書籍だと、人がとっつきにくいところから依頼が来るかもしれません(笑)。「お金の話」とか「性」とか、タイトルだけだと手に取りにくいものの繋ぎ役として。でも、知識として知っておくことが必要なものはたくさんあるし、僕もそういうものにちゃんとアクセスしていたいので、純粋に自分が「こういうことは必要だよね」と思えたら引き受けるという感じですかね。

--感覚的なことかもしれませんが、例えば依頼されるお仕事に対して、どこまで相手の意向を聞くんですか?

長場 クライアントに「こうしたい」「ああしたい」という意向があるのであれば、それは聞きますけど、譲れないところもあるので、「ここはできない」とかは伝えて。あとは、逆に「もっとこういう風にしたい」とこちらから提案することもあります。最終的に、それがどうすれば面白く見えるか、ということが一番重要というか。だから、相手の要望で面白くなりそうであればそれを全部やるし、面白く感じられなかったら「こういうのはどうですか?」と。絵を描くって、自分の内側と向き合っていくことなので、自分が面白いと感じていないままに進めてしまうと、それが絵にも反映されてしまうんですよね。なので、自分に対して素直にいるということは重要視しています。

やりたいけどやりたくない。相反する気持ちで続ける個展
「人に見てもらって、反応をもらっての作品」

--話は遡りますけど、絵はずっと小さい頃から描かれているんですか?

長場 そうですね。たぶん幼稚園とかくらいから普通に描いていて。よく大人から褒められたって記憶があって、そのことで子どもの頃から絵を描く道に進みたいな、と感じていました。

--子どもの頃から「自分は絵だ」という感じだったんですね。「絵で食っていく」と決めた瞬間ってあったんですか?

長場 決めた瞬間……。あまり意識的にはしていないんだけど、わりともう、なんだろうな。「これ以外はやりたくない」というのが正直なところかもしれない。「車の営業をしてください」と言われても、自分には車を売るアイディアがまるでないというか、わからないし、「もうこれしかない」と思っていたのかもしれません。だから「食っていく」は前提というか、では「どうやったら食べていかれるか」を模索していた気がします。

--「これしかやりたくない」は聞き慣れているけど、「これ以外やりたくない」って斬新。究極的に強い意思ですね。

長場 たしかに。でも、それ以外やりたくなかった(笑)。

--とはいえ、実際に絵で食っていくのはなかかなの茨の道なのかな、と。

長場 たしかに「絵で食うのは大変でしょう」と言われることはありましたが、でも、人生って意外といろいろな道があるというか。例えば、奥さんや家族がサポートしてくるパターンもあるし、すごいお金持ちで可愛がってくれる人が現れるかもしれない。絵が売れなくても、それがイコール「食えない」ということではないと思います。しかも今は、絵が売れる時代になってきているとすごく感じますしね。ここ何年かで日本も、イラストレーターとしてのクライアント仕事をせずに、アートでバンバン売れている人もどんどん出てきていて。その状況の良し悪しの判断にはまだ時間が少しかかるとは思うけど、自己表現で食べていける時代というのはすごくいいな、って。

--YouTuberもすっかり社会に定着しましたね。

長場 コロナ禍に台頭したUber Eatsをやって食べることもできるだろうし、今後はNFTも出てくるだろうし、「労働」というものの概念がすごい速さで変化してきているのを感じますね。

--日頃はアトリエに篭って制作をされていると思うんですが、それに比べると個展は外に出て行き作品を人前に晒すわけで。展示の活動はどういうモチベーションでされるんですか?

長場 うーん。やっぱり、なんというか、かなり気合を入れないといけないので、毎回毎回、潰されそうになりながらやっている感じです。自分のメンタルをどう鍛えたら平気になるんだろう? ってことをよく考えています。常に個展をしたい気持ちとしたくない気持ちのはざまにいるというか。

--なんと正直な(笑)。

長場 やるからには何かしら新しいものを提供したい気持ちがあるので、相当のエネルギーが必要で。本当はそんなことはしないで、ひっそりと暮らしていたかったりもするんですけど、でも、人に見てもらって、反応をもらっての作品でもあると思っていて。外に出さないと始まらないけど、そこに至るまでは「嫌だなあ」っていつも行ったり来たりしているというか(笑)

--人の反応も嬉しいものだけではないですし。

長場 そうですよね。ただ、そこに関しては、「もうしょうがない」と思って、「次、頑張ろう」と切り替えられるようになりました。

--そのメンタルは、発表を重ねることで鍛え上げられていったんですか?

長場 ある意味では、今の作風になった時に、「もう自分はこれしか提供できません。それを受け入れてくれれば嬉しいけれど、受け入れてもらえなかったら仕方がないです」と、開き直ったというか、そこで自分のメンタルがグッと引き上がった気がします。

--なんと素晴らしいお言葉! 「その人でしかないもの」はどんな人にもあるわけで。その「これしかできません」ってものに気が付けば道は開けるのかも、と、光が差した感じがします。

長場 光を当てられて良かったわー(笑)

余白を含めた贅沢な空間で新たな表現に取り組む
 「気持ちが筆を通してキャンバスに写し取られていくような感覚

--「ルーフ ミュージアム」での個展についての経緯を教えていただけますか?

長場 ルーフミュージアムの代表は、以前の会社でお世話になっていた長い付き合いの方なんですが、ある日、人づてに「会いたいから代官山に来て」と呼び出されて。しばらく連絡もとっていなかったので、「なんで会いたいんだろう……?」ってちょっと怖かったというか。ただ、ルーフミュージアムの代表は僕が人生でとても影響を受けた人の一人で、僕の今の状態をどう思っているのか気になっていたし、久しぶりに話をしてみたかったので、これは会いにいくしかないな、って。それで呼び出された場所が「ルーフ ミュージアム」で、「ここで個展をやらないか」と言われたという感じですね。

--「ルーフミュージアム」のスペースを初めてご覧になってどう思いましたか?

長場 最初は一階のカフェスペースを見せていただいて、そのあと「実は二階も借りようと思っている」と連れて行ってもらったら、一階と同じくすごく広くて気持ちいい空間で。「ここをホワイトキューブにしようと思う」と言われた時はワクワクしたし、こんなスペースはなかなか日本にないぞ、と感動しました。広くて天井も高いし、絵以外にたっぷりした余白みたいなものも作れる、どこか海外にいるような感覚、錯覚に陥るくらいの場所だと思います。日本だと”余白”込みで鑑賞できる空間はなかなかないですからね。

--個展のタイトルは「Pink Nude」ですね。

長場 はい。「Express More with Less「(GALLERY TARGET、2019)、「The Last Supper」(SAI、2020)の二つの個展をまとめた作品集『Express More with Less』を出すんですが、ルーフミュージアムでの個展はその作品集の発表の場でもあります。作品集にまとめる作業の中で、『Pink Nude』というマティスの絵を自分なりに解釈して描いた絵が、今後自分が行く方向の元になってくるんじゃないかと思って、今回の個展のタイトルに決めました。

--この絵が「今後の道標になる」と直感された?

長場 直感だったのかな? わりとうねうねしながらというか、いろんな人の意見を聞きながら選んだ感じですかね。もちろん最終的に決めるのは自分ですが、人がどう感じているかも気になるというか、周りの人の意見も参考にしたいというのがあって。

--自分以外の意見は、作品の見方を新たに得ることでもありますもんね。

長場 そうですね。別の角度からの視点というか。ただ、人の意見を入れるということは、人の意見に左右されていっちゃう可能性を孕むことでもあって。人の意見を採用するという責任感もあるし、取り入れることへの覚悟を持ってやっていることかもしれません。

--諸刃の剣というか。

長場 この人がこう言ったからこうしよう、ってなっていくと、どんどんズレていく可能性がありますからね。だから、もし人の意見を取り入れるとしても、「最終的には自分が決めたことだから」という覚悟を持つことが大事だと思っています。

--今回の個展では新作をお披露目されると聞きました。しかもそれは油画だとか。

長場 ルーフミュージアムの代表と話していた時に、なにげなく「油絵をやってみれば?」と言われて。小学校の時にトルコに住んでいたんですが、そこで油画を習っていました。まだ子どもすぎたのかもしれないけど、油絵具をうまく扱えなかった印象が残っていて、どこか敬遠していた画材なんです。でも、こういうきっかけを与えてもらったからと絵の具を買ってやり始めたら、自分の気持ちが筆を通してキャンバスに写し取られていくような感覚があって、「これはいいな」と。久しぶりの油画に新しい感覚を覚えています。

--長くて深い付き合いの方だからこその新しい提案という気がします。

長場 そうですね。ルーフミュージアムの代表自身も絵を描かれていて、そういう背景も知っているからこそスッと言葉が入ってきたんだと思います。ルーフミュージアムの代表とは昔から、アートやカルチャーの話をそれはたくさんしてきたことも大きいですし、うちの奥さんじゃないけど、子どもみたいに素直な人なので、信頼できるというのもありますね。

--これからやってみたいこと、興味を持っているけどまだ手をつけていないこととかってありますか?

長場 ちょっと立体作品も作ってみようと思っていて、あとはNFTかな。NFTを勉強中というか、ちょっと探っているところですね。

--立体は、前回の個展で展示されていた鏡で作られた作品のような?

長場 その時のものとはまたちょっと違うものになりそうですけど、ああいう立体です。今は『Pink Nude』のあの絵を発展させていった先の立体というか、ああいう感じのものを立体化していく構想があって。これから挑戦していきたいと思っています。

--平面作品の『Pink Nude』を立体にすることで、ずっとされている平面の絵の捉え方が変わることもありそうですか?

長場 うーん、あると思います。違う表現に落とし込んでみて、平面の絵に対して「はたしてこれは必要な線だったのか?」と気づいたり、逆に「ここは見ておかなくてはいけなかった」と足りない部分に気づくこともあったり。そのあたりを、まさに”立体的に”見て、してきたことの検証になってくるのかもしれませんね。

--新たなことにチャレンジすることで、やってきたこともブラッシュアップされていく。ものすごくクリエイティブな循環ですね。「ルーフ ミュージアム」での「Pink Nude」展、楽しみにしています! 




photography Kase Kentaro
text Nomura Kohei


長場雄  アーティスト。1976年東京生まれ。幼少期に父の転勤をきっかけにトルコに移り住み、現地の画家から油彩画を教わる。東京の美術大学を卒業後、アパレル会社でTシャツのグラフィックを手がけるが、その後フリーに転向し、作家活動を本格的に開始。当時は様々な作風で作品を制作していたが、2014年に一転、現在のスタイルとなる白黒のラインのみで構成された作品を発表。モチーフには自身が幼少期やその後に出会った映画、アート、音楽などが選ばれ、90年代のアメリカカルチャーからの影響を色濃く受けている。雑誌『POPEYE』の表紙に起用されたことをきっかけに一躍その作風が世に知られ、それ以後は作品制作だけではなく、国内外の名だたるブランドとコラボレーションを発表。2019年にはそれまでのドローイングから支持体をキャンバスに移した個展「Express More with Less」を開催。翌年に渋谷のギャラリーSAIで開催された「The Last Supper」と共に大きな注目を集める。その後も香港、台湾での個展、中国のアートフェア「WEST BUND」への参加など、国内外で注目を集め続けている。

長場雄 NAGABA YU

白いキャンバスに黒い線。究極的にシンプルなその絵は、スタイリッシュであるがどこか人間らしいぬくもりを感じさせる。長場雄が確立した唯一無二のその絵は、どのようにして生まれたのだろう? 2022年6月10日(金)に代官山に誕生した「ルーフミュージアム」のオープニングエキシビジョン、長場雄『Pink Nude』について、東京とは思えぬほど木々が茂り、ゆったりとした時間が流れる長場さんのアトリエ&事務所にて制作にまつわるたくさんのお話を聞いた。

国籍、年齢、ジェンダーを超えたフラットな世界観
 「生活を削ると自分らしさも失ってしまう」

--下北沢の街を彩る『シモキタエキウエ』の壁画を拝見して、長場さんの絵が入ると無機質な壁に温もりが加わるな、と感じました。シンプルでスタイリッシュ絵なのに、この温もりはどこからくるのだろう? と考えたとき、長場さんの絵は、国籍も年齢もジェンダーも良い意味で気にしていないというのか、とてもフラットなのかも、と。だから見ていて心地がいいし、その長場さんのまなざしのようなものが温もりを感じさせるのではないか? と。ご自身でもそうしたことを意識されて制作されていますか?

長場 まず、世の中がジェンダーレスを求めている感じはすごくしますね。クライアントからの依頼でも「女性っぽすぎない絵を描いて欲しい」とか、「男性っぽすぎない絵を描いて欲しい」と言われることがよくあります。僕自身、小さい頃から「男とはこう」「女とはこう」というようなことに対して疑問を抱いていた部分もあったので、そういうところが絵にもあらわれているんだと思います。母親から「男でもちゃんと家事をするんだよ」と言われて、家事の手伝いをよくさせられていたし、母親もそういうことを意識していたのかもしれません。そのおかげでか、当たり前のことだと思うけど、今も家で料理や掃除は日常的にやっています。

--「当たり前だけど」とはいえ、長場さんは超多忙ではないですか?そこまで仕事が忙しかったら「家事はまかせた」ってなりそうですが。

長場 うちには今、4歳の息子が一人いて、奥さんも仕事をしているんですが、うちの奥さんは働きたい人なんですよ。働くことで家族とは違う人間関係の場所が得られますよね。仕事を辞めると、そこの関係がなくなって世界が狭くなるし、人生がつまらなくなるから働いていたい、と。自分も、仕事を通じていろいろな世界の人たちとお付き合いがあることでちょっと安心するというか、外部との関わりによって自分の立ち位置のようなものが確認できると感じるので、奥さんの気持ちがよくわかるんですよね。だから二人で一緒に家事は行っています。ただ、ご飯を作るのは好きで楽しいからいいけど、後片付けや掃除を「もう嫌だ」と投げ出したくなることはあります(笑)。でも、そういう部分を削ってしまったら、自分らしさみたいなものを失ってしまうとも思うので、忙しくても夜は仕事はせずに家事育児をするようにしていますね。

--性別関係なく仕事をして家事育児をする。その日頃の在り方が、垣根を感じさせない絵を生んでいるのかもしれないですね。

長場 ただ、正直なところ仕事をしながら家のこともするのがめちゃくちゃ大変な状況になってはいて……(笑)。なので、ここはもう「家事代行」のようなサービスをたまには利用しようかと、この頃は家で話したりしています。

パーソナルでありソーシャルである
「引くことで現れる個性」

--過去のインタビューで、今の作風を発表するに至る際の、奥様の言葉が素敵だな、と。これまでの作品をまとめたものを個展に出そうと見せたら「面白くない」と一言。その言葉を受けて、ひそかに描きためていた今のスタイルの絵を見せたら、こっちのほうがいいという反応が返ってきて、現在の作風の作品を展示することになった、と。

長場 奥さんは、時代がどうとかこういう流れだからこう、ってことを頭で考えるのではなくて、目の前に出されたものに対して思ったことを素直に、包み隠さずに言う人なんですよ。面白い人だな、って思いますね。自分で作っていると、つい知識を溜め込んで、「こういう絵にしていていこう」とかなっていっちゃうけど、実際に目の前に出されたものがどうかが見る側としては重要なことだと思うので、最初の鑑賞者としてはとてもいい人だと思います。もちろん、知識も大切ではあるんですけど。

--現在の作風が個人的に描かれていたものだという背景を知って、だから、長場さんの絵をパーソナルに感じられるんだ、と気づきました。ただ、パーソナルだけど、下北沢の街の一部としてものすごく溶け込んでいるのが不思議というか。アーティストの「私の絵」というのは、街に溶け込み難いという印象があって。

長場 個人的に自己主張の強いものが苦手というか、あんまりうるさい絵は好きじゃなくて。そもそも「絵」って、それ自体が自己主張のオンパレードみたいなものじゃないですか(笑)。その作者の自己主張だったりに誰かが共感するわけですけど、でも、何かほかにもやり方があるんじゃないか? と考えたことに今の作風があると思います。自分を押し出さず、「引く」ことで個性を出すというか。街との溶け込みについては、学生の頃に絵だけではなく現代美術の勉強もしていて、パブリックアートやインスタレーションの作品をたくさん見たことが関係しているかもしれません。時代的にもホワイトキューブから飛び出し「街でアートがどのように見えるか」という流れにありましたしね。『シモキタエキウエ』のお話があった時、絵が単体の作品ではなくて、街の人がそこに加わって成立するようなこと、絵と人とのコンビネーションを意識しました。

クライアントワークをすることでアーティストとしての世界も広がる
「自分が面白いと感じていないまま仕事は進めない」

--「イラストレーター」という肩書きで呼ばれることもあると思いますが、現在の肩書きは「アーティスト」を使用されている。その違いはどこにあると思いますか? 

長場 大きく分ければ、クライアントワークをする時はイラストレーターで、クライアントを通さず個展などで発表する時はアーティストってなると思います。活動の初期は、別にイラストレーターもアーティストも名乗っていなかったというか、どちらかというと「アーティスト」という思いでやっていて。なので、自分からどこかのクライアントに作品を売り込むことはやっていなかったんです。その状況が2014年に『POPEYE』の仕事をしてから一変して、一気にいろんなクライアントから声が掛かるようになったんですが、その時もまだどちらかというとアーティストに意識があったかな。だから、最初はクライアントワークを引き受けるかどうか迷っていた部分もありました。ただ、本当にたくさんの連絡をいただいたので、「ちょっとイラストレーターというものをやってみよう」というような感覚で引き受けることにしました。

--”やってみた”イラストレーターはどうだったんですか?

長場 それまではInstagramや個展でしか作品の発表をしていなかったので、クライアントの仕事をすることで、自分の絵を知ってもらう媒体が増えて拡散力が高まって、すごくたくさんの人が見てくれるようになりました。アーティストとしての制作とクライアントワークの両方をやることで作品をいっぱい作れるし、自分の認知度も広まっていくし、相乗効果が生まれるというか、すごくいい関係だな、と。僕も楽しいし、クライアントにとっても良かったのではないかなと思います。今の肩書きをアーティスト一本にしたのは、最初の思いに立ち返ったからですね。

--長場さんがされるお仕事は、業種が多岐にわたるのもすごく面白いです。

長場 基本的には自分が興味のあるものをやっているんですけど、そこはわりと意識しているというか、いろんな業界と組んでやりたいと思っています。

--「どういうものとコラボレーションするか」というチョイスも「表現」ですもんね。

長場 ああ、そうですね。いい意味で期待を裏切れるように発表できていくといいな、と思っていますね。

--個人的には、ゴミ収集車とか公共のゴミ袋とか、そういうものに長場さんの絵が使われていたらすごくいいな、って。あとは性教育とか。ちょっとバイアスがかかっているものとか、人が隠そうとしているものに長場さんの絵があるといいな、と。実際そういうお仕事も多そうですが。

長場 『Tarzan』で性教育のようなお仕事はしましたね。特に書籍だと、人がとっつきにくいところから依頼が来るかもしれません(笑)。「お金の話」とか「性」とか、タイトルだけだと手に取りにくいものの繋ぎ役として。でも、知識として知っておくことが必要なものはたくさんあるし、僕もそういうものにちゃんとアクセスしていたいので、純粋に自分が「こういうことは必要だよね」と思えたら引き受けるという感じですかね。

--感覚的なことかもしれませんが、例えば依頼されるお仕事に対して、どこまで相手の意向を聞くんですか?

長場 クライアントに「こうしたい」「ああしたい」という意向があるのであれば、それは聞きますけど、譲れないところもあるので、「ここはできない」とかは伝えて。あとは、逆に「もっとこういう風にしたい」とこちらから提案することもあります。最終的に、それがどうすれば面白く見えるか、ということが一番重要というか。だから、相手の要望で面白くなりそうであればそれを全部やるし、面白く感じられなかったら「こういうのはどうですか?」と。絵を描くって、自分の内側と向き合っていくことなので、自分が面白いと感じていないままに進めてしまうと、それが絵にも反映されてしまうんですよね。なので、自分に対して素直にいるということは重要視しています。

やりたいけどやりたくない。
相反する気持ちで続ける個展
「人に見てもらって、反応をもらっての作品」

--話は遡りますけど、絵はずっと小さい頃から描かれているんですか?

長場 そうですね。たぶん幼稚園とかくらいから普通に描いていて。よく大人から褒められたって記憶があって、そのことで子どもの頃から絵を描く道に進みたいな、と感じていました。

--子どもの頃から「自分は絵だ」という感じだったんですね。「絵で食っていく」と決めた瞬間ってあったんですか?

長場 決めた瞬間……。あまり意識的にはしていないんだけど、わりともう、なんだろうな。「これ以外はやりたくない」というのが正直なところかもしれない。「車の営業をしてください」と言われても、自分には車を売るアイディアがまるでないというか、わからないし、「もうこれしかない」と思っていたのかもしれません。だから「食っていく」は前提というか、では「どうやったら食べていかれるか」を模索していた気がします。

--「これしかやりたくない」は聞き慣れているけど、「これ以外やりたくない」って斬新。究極的に強い意思ですね。

長場 たしかに。でも、それ以外やりたくなかった(笑)。

--とはいえ、実際に絵で食っていくのはなかかなの茨の道なのかな、と。

長場 たしかに「絵で食うのは大変でしょう」と言われることはありましたが、でも、人生って意外といろいろな道があるというか。例えば、奥さんや家族がサポートしてくるパターンもあるし、すごいお金持ちで可愛がってくれる人が現れるかもしれない。絵が売れなくても、それがイコール「食えない」ということではないと思います。しかも今は、絵が売れる時代になってきているとすごく感じますしね。ここ何年かで日本も、イラストレーターとしてのクライアント仕事をせずに、アートでバンバン売れている人もどんどん出てきていて。その状況の良し悪しの判断にはまだ時間が少しかかるとは思うけど、自己表現で食べていける時代というのはすごくいいな、って。

--YouTuberもすっかり社会に定着しましたね。

長場 コロナ禍に台頭したUber Eatsをやって食べることもできるだろうし、今後はNFTも出てくるだろうし、「労働」というものの概念がすごい速さで変化してきているのを感じますね。

--日頃はアトリエに篭って制作をされていると思うんですが、それに比べると個展は外に出て行き作品を人前に晒すわけで。展示の活動はどういうモチベーションでされるんですか?

長場 うーん。やっぱり、なんというか、かなり気合を入れないといけないので、毎回毎回、潰されそうになりながらやっている感じです。自分のメンタルをどう鍛えたら平気になるんだろう? ってことをよく考えています。常に個展をしたい気持ちとしたくない気持ちのはざまにいるというか。

--なんと正直な(笑)。

長場 やるからには何かしら新しいものを提供したい気持ちがあるので、相当のエネルギーが必要で。本当はそんなことはしないで、ひっそりと暮らしていたかったりもするんですけど、でも、人に見てもらって、反応をもらっての作品でもあると思っていて。外に出さないと始まらないけど、そこに至るまでは「嫌だなあ」っていつも行ったり来たりしているというか(笑)

--人の反応も嬉しいものだけではないですし。

長場 そうですよね。ただ、そこに関しては、「もうしょうがない」と思って、「次、頑張ろう」と切り替えられるようになりました。

--そのメンタルは、発表を重ねることで鍛え上げられていったんですか?

長場 ある意味では、今の作風になった時に、「もう自分はこれしか提供できません。それを受け入れてくれれば嬉しいけれど、受け入れてもらえなかったら仕方がないです」と、開き直ったというか、そこで自分のメンタルがグッと引き上がった気がします。

--なんと素晴らしいお言葉! 「その人でしかないもの」はどんな人にもあるわけで。その「これしかできません」ってものに気が付けば道は開けるのかも、と、光が差した感じがします。

長場 光を当てられて良かったわー(笑)

余白を含めた贅沢な空間で新たな表現に取り組む
 「気持ちが筆を通してキャンバスに写し取られていくような感覚

--「ルーフ ミュージアム」での個展についての経緯を教えていただけますか?

長場 ルーフミュージアムの代表は、以前の会社でお世話になっていた長い付き合いの方なんですが、ある日、人づてに「会いたいから代官山に来て」と呼び出されて。しばらく連絡もとっていなかったので、「なんで会いたいんだろう……?」ってちょっと怖かったというか。ただ、ルーフミュージアムの代表は僕が人生でとても影響を受けた人の一人で、僕の今の状態をどう思っているのか気になっていたし、久しぶりに話をしてみたかったので、これは会いにいくしかないな、って。それで呼び出された場所が「ルーフ ミュージアム」で、「ここで個展をやらないか」と言われたという感じですね。

--「ルーフミュージアム」のスペースを初めてご覧になってどう思いましたか?

長場 最初は一階のカフェスペースを見せていただいて、そのあと「実は二階も借りようと思っている」と連れて行ってもらったら、一階と同じくすごく広くて気持ちいい空間で。「ここをホワイトキューブにしようと思う」と言われた時はワクワクしたし、こんなスペースはなかなか日本にないぞ、と感動しました。広くて天井も高いし、絵以外にたっぷりした余白みたいなものも作れる、どこか海外にいるような感覚、錯覚に陥るくらいの場所だと思います。日本だと”余白”込みで鑑賞できる空間はなかなかないですからね。

--個展のタイトルは「Pink Nude」ですね。

長場 はい。「Express More with Less「(GALLERY TARGET、2019)、「The Last Supper」(SAI、2020)の二つの個展をまとめた作品集『Express More with Less』を出すんですが、ルーフミュージアムでの個展はその作品集の発表の場でもあります。作品集にまとめる作業の中で、『Pink Nude』というマティスの絵を自分なりに解釈して描いた絵が、今後自分が行く方向の元になってくるんじゃないかと思って、今回の個展のタイトルに決めました。

--この絵が「今後の道標になる」と直感された?

長場 直感だったのかな? わりとうねうねしながらというか、いろんな人の意見を聞きながら選んだ感じですかね。もちろん最終的に決めるのは自分ですが、人がどう感じているかも気になるというか、周りの人の意見も参考にしたいというのがあって。

--自分以外の意見は、作品の見方を新たに得ることでもありますもんね。

長場 そうですね。別の角度からの視点というか。ただ、人の意見を入れるということは、人の意見に左右されていっちゃう可能性を孕むことでもあって。人の意見を採用するという責任感もあるし、取り入れることへの覚悟を持ってやっていることかもしれません。

--諸刃の剣というか。

長場 この人がこう言ったからこうしよう、ってなっていくと、どんどんズレていく可能性がありますからね。だから、もし人の意見を取り入れるとしても、「最終的には自分が決めたことだから」という覚悟を持つことが大事だと思っています。

--今回の個展では新作をお披露目されると聞きました。しかもそれは油画だとか。

長場 ルーフミュージアムの代表と話していた時に、なにげなく「油絵をやってみれば?」と言われて。小学校の時にトルコに住んでいたんですが、そこで油画を習っていました。まだ子どもすぎたのかもしれないけど、油絵具をうまく扱えなかった印象が残っていて、どこか敬遠していた画材なんです。でも、こういうきっかけを与えてもらったからと絵の具を買ってやり始めたら、自分の気持ちが筆を通してキャンバスに写し取られていくような感覚があって、「これはいいな」と。久しぶりの油画に新しい感覚を覚えています。

--長くて深い付き合いの方だからこその新しい提案という気がします。

長場 そうですね。ルーフミュージアムの代表自身も絵を描かれていて、そういう背景も知っているからこそスッと言葉が入ってきたんだと思います。ルーフミュージアムの代表とは昔から、アートやカルチャーの話をそれはたくさんしてきたことも大きいですし、うちの奥さんじゃないけど、子どもみたいに素直な人なので、信頼できるというのもありますね。

--これからやってみたいこと、興味を持っているけどまだ手をつけていないこととかってありますか?

長場 ちょっと立体作品も作ってみようと思っていて、あとはNFTかな。NFTを勉強中というか、ちょっと探っているところですね。

--立体は、前回の個展で展示されていた鏡で作られた作品のような?

長場 その時のものとはまたちょっと違うものになりそうですけど、ああいう立体です。今は『Pink Nude』のあの絵を発展させていった先の立体というか、ああいう感じのものを立体化していく構想があって。これから挑戦していきたいと思っています。

--平面作品の『Pink Nude』を立体にすることで、ずっとされている平面の絵の捉え方が変わることもありそうですか?

長場 うーん、あると思います。違う表現に落とし込んでみて、平面の絵に対して「はたしてこれは必要な線だったのか?」と気づいたり、逆に「ここは見ておかなくてはいけなかった」と足りない部分に気づくこともあったり。そのあたりを、まさに”立体的に”見て、してきたことの検証になってくるのかもしれませんね。

--新たなことにチャレンジすることで、やってきたこともブラッシュアップされていく。ものすごくクリエイティブな循環ですね。「ルーフ ミュージアム」での「Pink Nude」展、楽しみにしています! 




photography Kase Kentaro
text Nomura Kohei


長場雄  アーティスト。1976年東京生まれ。幼少期に父の転勤をきっかけにトルコに移り住み、現地の画家から油彩画を教わる。東京の美術大学を卒業後、アパレル会社でTシャツのグラフィックを手がけるが、その後フリーに転向し、作家活動を本格的に開始。当時は様々な作風で作品を制作していたが、2014年に一転、現在のスタイルとなる白黒のラインのみで構成された作品を発表。モチーフには自身が幼少期やその後に出会った映画、アート、音楽などが選ばれ、90年代のアメリカカルチャーからの影響を色濃く受けている。雑誌『POPEYE』の表紙に起用されたことをきっかけに一躍その作風が世に知られ、それ以後は作品制作だけではなく、国内外の名だたるブランドとコラボレーションを発表。2019年にはそれまでのドローイングから支持体をキャンバスに移した個展「Express More with Less」を開催。翌年に渋谷のギャラリーSAIで開催された「The Last Supper」と共に大きな注目を集める。その後も香港、台湾での個展、中国のアートフェア「WEST BUND」への参加など、国内外で注目を集め続けている。